税務デューデリジェンス (税務DD)
M&Aの対象企業における過去の税務申告の妥当性を検証し、潜在的な税務リスクを洗い出す調査です。「税務DD」と略されます。
主な目的は、過去の申告漏れや誤りによる追徴課税リスクや、M&Aの実行に伴い発生する税務上の問題点を事前に把握することです。具体的には、法人税、消費税、源泉所得税などの主要な税目について、過去の申告書や関連資料を精査し、税法上の規定に沿った適切な処理が行われているかを確認します。特に、グループ法人税制や組織再編税制の適用、繰越欠損金の引継ぎ可能性などは重要な論点となります。調査で税務リスクが発見された場合、その影響額を算定し、買収価格の交渉や最終契約書における表明保証・補償条項に反映させます。
税務DDは、予期せぬ税金の支払いを防ぎ、M&A後の安定した経営を実現するために不可欠な手続きです。